井上康生さんは3人兄弟の末っ子ですが、康生さんは3歳上の兄と一緒に柔道家だった父親から指導を受けていました。
井上康生さんは、今の自分があるのは父親のおかげだとおっしゃっています。
お父さんは柔道の師として厳しくもあり、父親として深い愛情もあった方だったようです。
今回はそんな井上康生さんを支えてきた父親・井上明さんについてまとめていきます。
井上康生の父親は偉大だった!
井上康生さんの父・明さんは宮崎県警に勤務する警察官である傍らで、宮崎市内の道場で柔道のコーチを務めていました。
とても厳しく、強烈な人
井上康生さんは警察官だった父親の影響で5歳から柔道を始めました。
その指導者だったのが柔道家でもあった父親・明さんでしたがとにかく厳しかったということです。
井上康生さんが小学3,4年生の時から本格的に指導してくれるようになりましたが、次の日道場に入って「お父さん」と言ったら、いきなりゲンコツが飛んできて意味が分からなくてもう一度「お父さん」って言ったら、またやられた。俺何も悪いことしてないのにと思って、パッと兄の姿を見たら「先生」と呼んでいたので恥ずかしながら「先生」と呼んだらゲンコツされなかったというエピソードがありました。
父はその時のことを振り返って、「俺はお父さんって言われていたら、おまえには厳しく指導できなかった。やはり親と子の関係はしっかりと割らなければいけない。だから、あの時はおまえも意味が分からなかっただろうけど、それでも俺の指導は間違っていないと思っていたし、あれがあったからこそいまがあるんじゃないか」と話してくれたんです。
引用元:『致知出版社』
師弟関係が親子の場合は、厳しくする方にも覚悟がいりますね!
僕の内股は本来、飛び込んで根こそぎ跳ね上げるスタイルです。父もそういう内股で大きい人を投げていました。稽古では打ち込み、投げ込みを全部、父が受けてくれました。相当やりましたね。組んでいて、内股に入るタイミングがちょっとでもずれたら、顔をはたかれたりもしてね。泣きながらやってました。
引用元:『産経新聞』
そののちに井上康生さんが現役引退する少し前に、父が「おまえが子供の時、厳しくしたのは辛かった」と話してくれたようですが、自身が柔道家として世界を目指していたが達成出来なかった分、康生さんにはそこを狙ってほしいという思いから心を鬼にして厳しくされていたんですね。
父・明さんは厳しくも温かく指導し、康生さんを導いて来られた素晴らしい恩師です。
瑞宝双光章(ずいほうそうこうしょう)を受賞
父親の昭さんは2018年に、【瑞宝双光章(ずいほうそうこうしょう)】を受賞されています。
瑞宝双光章とは?…国及び地方公共団体の公務、または公共的な業務に長年にわたり従事して功労を積み重ね、成績を挙げた方に表彰する場合に授与される勲章です。
授賞式には、井上康生さんが1999年にくも膜下出血で51歳にして亡くなられた母・かず子さんの遺影と共に出席しました。
警察官として、柔道家としてたくさんの人に貢献されてきた素晴らしい父親です!
九州男児の父は普段は人間味にあふれて、子供への情熱もものすごく大きいものがありましたので大好きでした。
《代名詞の内股を教えてくれたのも父親だった》
今の井上康生さんがあるのは、父の支えがあったからだと言えますね!
そして2022年9月4日に父・明さんは闘病生活ののち死去されました。そのことを井上康生さんが自身のブログで報告しました。その中でこのようなことを綴っていました。
父は柔道をこよなく愛し、特に我々兄弟は多くの愛情と情熱を持って指導を頂きました。今の自分達がいるのは、父の存在なくしてはありえませんでした。また、父は大変頑固であり、わがままでもありましたので、多くの方にご迷惑をおかけしたのではないかと心配しております。しかし、人情味溢れ、皆様から親しまれる性格も持ち合わせておりました。我々はそんな父、師が大好きでしたし、心から尊敬しておりました。
幼少期から厳しい練習の中で培ってきた事が、これからも指導者として生かされていくのでしょう!
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